水門を見に行き、川跡を歩いてみました。

2018年07月05日(木)8:47 PM

 前回のブログに関連する話です。
相対的な可視感覚 
 前回のブログを見た方から、次のコメントを頂きました。
 竜閑川跡の水門が毎日通勤で歩いている鎌倉橋から見えることに驚いた。いままでなぜ気がつかなかったのだろう。 
 おかっぱ頭のお嬢ちゃんに叱られますよ。
 冗談です。(笑) 
 我々の脳は視界に入っているものを全て認識するのではなく、自分にとって重要を思われるものを選択して認識するようです。視界に入っているものを全て認識することはできません。人は自分に興味のあるものしか見えません。人はそれぞれ見えるものが違うという気がしました。 
竜閑川跡の水門の意味 
 竜閑川は前回当欄で書いたように戦後全て埋め立てられています。水路に蓋をかぶせて見えなくした「暗渠(あんきょ)」とはちがいます。日本橋川から見える竜閑川跡の水門から水の流れは見えません。それではなぜ水門が残っているのでしょうか。 
 おそらく以前ここに日本橋川から分岐した竜閑川があったということを示す歴史的意義を考えてのことでしょう。川の痕跡を示すモニュメントだと思いますが、この点に詳しい方がいらっしゃいましたらご教示ください。 
浜町川の水門は?
 昭和22年の米軍撮影の航空写真(国土地理院)を見ると、浜町川の河口は神田川では和泉橋の下流(隅田川方面)にあり、隅田川では清洲橋の下流(東京湾方面)にあります。
 竜閑川と同じ戦後埋め立てられた浜町川の河口にも水門はあるのでしょうか。調査に行ってきました。
 まず和泉橋から神田川を見ました。和泉橋から約200メートル先に河口を示す水門が見えました。
 水門の対岸には神田川の側道はありませんが、水門の正面近くに屋外の駐車場がありましたので、ラッキーでした。そこからよく見えました。
 枯れた蔓状の植物が縄暖簾のように水門に掛かっています。こちらも竜閑川の水門と同じく水門から水の流れは感じられません。竜閑川水門と同じく川の痕跡を示すモニュメントのようなものでしょうか。水門の裏側は小さな駐車場になっているようです。
 次は浜町川の隅田川側の水門です。神田川側にある水門を見た翌日、隅田川に行ってきました。清洲橋から200メートルくらい先に、やはり浜町川の河口の位置に水門が見えました。

 こちらは前二者の水門とは趣を異にします。ここは中央区エリアの管渠(雨水管、下水道管等の暗渠)から集められた水を、東京都下水道局の箱崎ポンプ所というところで処理し、ゴミ等を取り除いた水を隅田川に流す水門で、現実に稼働しています。詳しくは「ラジエイト」というWebサイト参照。

浜町川跡を歩いてみた 
 ここまで見てくると浜町川跡を歩いてみたくなりました。早速実行に移します。
 箱崎地区で川跡を思わせるような通りを見つけました。浜町緑道というようです。浜町公園と水天宮の中間くらいにある道です。ここを北上すれば神田川にある河口にたどり着ける。そのような期待で足取りが軽くなります。 
 大きな道が交差し緑道が断絶することもありますが、また同じような道が出てきます。
 途中でこんなものも。人形町付近で見かけた歌舞伎・勧進帳の弁慶像です。以前にも見たことがあるような気がします。近くの浜町公園や水天宮は何回か訪れていますが、この道を通った記憶がありません。デジャブ(既視感)でしょうか。
 久松警察所の左の久松児童公園を過ぎ、しばらく歩くと緑道はなくなります。緑道に代わって登場するのが路地裏の狭い道。道路の真ん中がゆるやかなV字型に窪み、そこにV字型の排水溝の蓋が被せられています。雨水だけでなく洗濯機から出る生活排水のようなものも流されているようです。雨水等の排水溝は通常道の両側または片側に設けられる「側溝」の形式が取られますが、ここでは道の真ん中に造られています。いかにも浜町川の川跡を利用した感じがでています。

 狭い路地裏通りをいくつか経て、見えてきたのが竜閑川との合流地点である龍閑児童公園の裏。

 通って来た道が正確に浜町川の川跡であることが証明できました。けっこう気分がよいです。 この公園は表には「中央区 龍閑児童遊園」という名称の看板がでていますが、北側の入口には「千代田区 龍閑児童公園」という看板があります。公園は千代田区と中央区の両区にまたがっているというわけです。他のブログ等でも話題にしている方がいるようです。
 浜町川跡をここからさらに進み神田川を目指します。児童公園から先は千代田区なので中央区にある箱崎ポンプ所に排水を誘導していません。従って、道の真ん中に排水溝はありません。道幅が狭いのは共通ですが、 浜町川跡は中央区と千代田区では少し感じが違います。 
 かつて浜町川に架かっていた大和橋という名の交差点に出ました。横断歩道に2本のラインが斜めに入っています。どういうわけか浜町川跡のこれまでの方向と一致します。 
 少し進むと小さな駐車場があり、そこに昨日見た神田川にある浜町川の河口の水門が現れました。隅田川から神田川まで、浜町川の跡を歩き切りました。所要時間は1時間半くらいでした。 水上バイクが神田川を川上に向かって猛スピードで走り去って行きました。 

 所々で、江戸、明治、大正、昭和の時代が体感できました。
 本文で書いた浜町川の内、竜閑川の合流点より北側の部分はかつて「岩井川」と呼ばれ、また隅田川の河口付近は消滅した「箱崎川」の支流であったようです。面倒くさい話を避けるため、隅田川から神田川に抜ける水路は「浜町川」とひとくくりにしました。
 
 箱崎ポンプ所から隅田川大橋方面を眺めると、ウォーターフロントはタワーマンション群となっていました。いつの間に。清洲橋付近に来たのは40年ぶりです。

    

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