400メートル超え あるかも

2018年 10月29日

 「なんのこっちゃ」というタイトル。これは最後まで読まなければなりません。(笑)
常盤橋街区再開発プロジェクト説明会

 3年前の平成27年(2015年)の9月に「常盤橋街区再開発プロジェクト」の説明会(三菱地所主催)が大手町サンケイプラザで開かれました。発表されたプロジェクトでこの地区にできる390メートルの超高層ビルがマスコミの関心を集めていた時期です。超高層ビルに利害関係を持つ近隣地区で活動するフォーラムミカサ エコにも案内があったので、筆者も説明会に参加してきました。
 プロジェクターを使用してプロジェクトの概略を説明するプレゼンテーションがありました。大型スクリーンに向かって左の壇上が司会者の席。右の壇上にはプロジェクトの運営を担当する三菱地所グループの計画者・技術者12、3名が説明のために陣取ります。
 プレゼンテ-ションはスムーズに進行し、広域的な都市基盤の整備、国際競争力の強化を図る都市づくり(金融機関の交流や観光機能の充実)、環境負荷の軽減等の説明がありました。
 面白かったのは最後に行われた質疑応答。
 近くに住んでいるが、あんな大きな建物が倒れてきたらどうするか。皇居を見下ろすことになるが問題ないか。ビルは羽田空港に着陸する飛行機の進入経路に近いので、飛行機がひっかからないか。建設計画や技術的なことには能弁な三菱地所グループのエリート陣ですが、素人の突飛な発想の意表をつく質問には少しタジタジになっていました。
 筆者もある質問をしようと思いましたが、思い直して取り止めました。この点は後述します。この説明会の三菱地所側の説明で印象に残ったのは次の2点。
 ①ポンプ場等の現在のインフラを維持しながら工事を進める。
 
②工期が2027年まで(12年)と長いので、途中に新しい技術等が開発されればそれを生かしたい。従って設計変更や計画変更はありうる。
 
この②の点には少しビビッときました。筆者の思い立った質問に関連しますが、まずは①に関連する話。

インフラ移設のために行われた日本ビルの部分解体 


図は三菱地所株式会社のプレスリリース資料(2015年8月31日)より引用

 再開発の中心となる大きな日本ビルの南側の地下には下水ポンプ場があります。これは千代田区や中央区から集めた一日約7万立方メートルの下水や汚水を処理する重要な大都市のインフラ。これを破壊するわけにはいきません。
 そこで日本ビルの一部を壊して新たな下水ポンプ場を造り(D棟)、これに既存のポンプ場を移転する計画となりました。
 そのために行われたのが2016年秋から行われた日本ビルの部分解体工事。ビルの約3分の1がカットされて壊されました。

                                 Googeマップ 航空写真3D

 躯体の存置箇所と解体箇所の間にあるフロアーを最上階から地下3階まで壊していき(縁切り)、本格的解体時の騒音や振動が伝わらないようにして解体工事が行われたようです。存置部分境目の外壁となる部分は耐震壁が造られました。包丁でカマボコを切ったような感じの外観ですが、なかなか見ることのできない「縁切り解体」という珍しい工法です。

 現在はポンプ場となるD棟の地下建設が行われている模様。地下3階地上9階のD棟の完成(2021年末)を待ってから存置部分の解体が行われます。工事着工からメインのB棟の竣工まで12年もかかるのはこのインフラの移設・更新という事情があるためです。
 現在存置部分は普通のオフィスビルとして使用されていて、13階にはパソナグループの経営する人気の「大手町牧場」もあります。

 一方インフラ移設の影響を受けない地区では、解体を終え既に建設に入っており、A棟(230メートル)は2021年に竣工予定。




390メートルというB棟は高いか?
 
 次は上述の②に関連する話。このプロジェクトの目玉は国内で史上最高となる390メートルという超高層ビル(B棟)の建設。現在国内で最も高い「あべのハルカス」(大阪)の300メートルを一気に90メートルも抜き去るビッグサイズ。画期的な建造物であることは間違いないでしょう。三菱地所の動画等では新ビルに「いまだ誰も経験したことのない未知の世界」という形容がついています。
 しかし東京スカイツリーの第二展望台(天望回廊)は450メートル。表現は、いくらなんでも・・・盛り過ぎでしょう。(笑) あまり外連味が強い表現だと事実から大きく乖離してしまいます。
 世界的に見れば390メートルは驚くような高さではありません。中東のドバイには828メートルというとてつもない高さの建物があり、中国の上海にも632メートルの超高層ビルがあります。鉄塔まで入れると500メートルを超える建物はいくつもあります。
 ウィキペディア(超高層ビルの一覧)の図の400メートルのところに赤いラインを入れてみました。完成すれば日本が誇る390メートルの超高層ビル(B棟)ですが、その頂上はこのラインの下にあります。高けりゃ良いという訳ではありませんが、諸外国に比べると日本の超高層ビルは概して高くはありません。

 この彼我の差の理由は、「日本は地震国だから」という固定観念的に理解されてきたような気がしますが、この理解は今日でも正しいでしょうか。
 たしかに、日本は世界の中で地震の多い国だとは思いますが、免震・制振技術の発達や新耐震基準の設定・運用という法規制により建物の倒壊等の危険はかつてと全く異なるレベルに来ているのではないでしょうか。そして最新の技術を取り入れた超高層の大型ビルほど地震に強くなってきているのではないかという気がします。
 2011年の東日本大震災の地震発生時、筆者は多くの会場利用者と共に旧会場の三笠ビルの外に出て、避難場所を考えていました。三笠ビルの玄関から見える住友不動産の超高層ビル(約100メートル)の1階エントランスが広いので、いざとなればそこに逃げようと思い、そのビルを眺めていました。二波、三波とくる地震の揺れの時、超高層ビルには、揺れは全く感じられず、そのビルの窓にかかっている多くの縦型ブラインドが小刻みに波打っていました。ビルがなにかブルブル震えているような感じでした。一方鉄筋コンクリートの古くなった三笠ビルには、大きな揺れと共に一階玄関のはめ殺しの厚いガラスにピシッと亀裂が入り、一瞬倒壊の危険を感じました。制振構造の超高層ビルの地震に対する強さを実感した日でした。
 3.11の地震の際、新しい超高層ビルにダメージがあったという話は聞きません。建設途中であった東京スカイツリーもその後建設を続行し翌年完成・開業しています。
 このような状況判断から、上記②で最新技術を取り入れ、設計や計画の変更がありうるという三菱地所グループの見解について、耐震・免震技術等の向上により、超高層ビルの建物の高さの延長はあるかということを筆者は質問しようと思った次第です。
 建物の高さが変更された例はいくつかあります。
 有名なものが横浜三塔のクイーンの塔(横浜税関)。昭和初期に高さ47メートルとして設計されましたが、国(税関)の建物が、49メートルの県の建物(キングの塔=横浜県庁)に負けるわけにはいかないということで、51メートルに変更されたとのこと。横浜でよく聞く話です。
 現在国内で最も高い高層建築の「あべのハルカス」も、当初は270メートルとして設計されたが、航空法の高さ制限がなくなったのを機に、296メートルの横浜ランドマークタワー抜いて日本一を目指すため300メートルにしたとのこと。これまたよく知られた話です。
 B棟の390メートルというのは、400メートルに少し届かない中途半端な高さに感じます。10メートルの電波塔をつければすぐに400メートルに達します。なにか臭いませんか。三菱地所グループは途中で計画変更を発表して世間を驚かせる大きなサプライズ効果を狙っているのではないか。筆者の妄想かも知れませんが、案外当たっているのではないでしょうか。
 筆者が質問を取り止めたのは、再開発プロジェクトの発表段階でこのような質問をするのは野暮だと思ったからです。しかし3年以上も経過すればもういいかなという気持ちで本ブログを書きました。数年後計画の変更があり、B棟の「400メートル超え」があれば、思い切って「どや顔」をしたいと思います。ハイ 


ウィキペディアのフリー画像 

 エンパイア・ステートビルが竣工したのは1931年。いまより87年前。その高さは建物部分が381メートル。電波塔を入れると最頂部は443メートル。1972年にワールドトレーディングセンターのビルができるまで、長い間世界一の高さを誇っていました。建物部分だけだと、常盤橋街区にできるB棟とほぼ同じ高さ。 B棟の竣工予定は2027年。96年の時を経てアメリカのかつてのナンバーワン超高層ビルの高さに追いつきます。B棟に期待しています。

    

     

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